識名園の新名物に 地元食材でスイーツ開発


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「みんながワクワクする遊園地のような店にしたい」と語る今井陽介さん(左)・あいこさん夫妻=2日、那覇市真地の「ブーランジェリーパティスリーいまいパン」

 世界遺産で国指定の特別名勝「識名園」近くで、地域の特産品や県産食材を活用したパン・スイーツを販売している「ブーランジェリーパティスリーいまいパン」(那覇市真地)。2012年11月のオープン以来、小さな店構えながら豊富な品ぞろえでファンを増やし続けている同店はこのほど、識名園初の土産スイーツ「識名園るうまんぺい(浪漫餅)」を開発し、同園などでの販売を始めた。店主の今井陽介さん(39)は「地域に根差したパン屋として活性化に貢献したい」と意気込んでいる。

 いまいパンは三重県出身・茨城県育ちのパン職人・陽介さんと、妻で菓子職人のあいこさん(38)が、あいこさんの実家が営んでいた金物店跡で開店した。2人はフランス修行時代に知り合い、「沖縄で店を出したい」との共通の思いから結婚。パリのバゲットコンクールで3位に輝いた陽介さんの焼くパン、国内外で腕を磨いたあいこさんの独創性あふれる菓子は好評で、リピーター客が増加中だ。
 店ではパン約80種類、ケーキや菓子類約25種類を扱う。中でも長堂豆腐店(繁多川)の豆乳を使用した「繁多川豆乳パン」、美ら卵養鶏場(南風原町)の鶏卵とEM玉城牧場牛乳(南城市)のカスタードクリームで作る「クリームフレンチトースト」など地域の食材を活用した商品が人気。県産野菜も使用している。
 「識名園るうまんぺい」は、丸吉塩せんべい屋(繁多川)の堅焼きせんべいにキャラメル状のアーモンドスライス、ココナツとフランス・ゲランドの塩を乗せ焼き上げた2種類をセットにした商品だ。売れ行きに製造が追い付かず現在は識名園での販売は停止しているが、近く再開予定。
 クリスマスを目前に控え、神谷酒造所(八重瀬町)の泡盛にレーズンなどを漬け込んだ「シュトーレン」も販売している。毎週月曜日が休みで、今月は8日が不定休。問い合わせは(電話)098(836)3008。