県出身歌手・jimamaの約1年ぶりのワンマンライブ「reunion 2015」が4日、那覇市の桜坂劇場ホールAであった。この1年、自身の結婚、父親との死別と「幾つかの出会いと別れがあった1年だった」と振り返って臨んだライブ。普段のライブでは演奏しない曲や、ありふれた日常の大切さを盛り込んだ新曲など、一曲一曲を丁寧に紡いだ。
「ステージでやらない曲ばかりを」と話す通り、幕開けの「パッピー」「ジュゴンの飛行船」とアップテンポの曲を次々と繰り出していく。
デビュー曲「街」や「生まれて初めて書いた曲」という「空へ」、この日会場を訪れていた、妹で映画監督の宮平貴子の映画「アンを探して」の主題歌「永遠の言葉」はしっとりと聞かせた。
軽快な「海へと続くroute」はファンの手拍子もステージを盛り上げる。代表曲ともいえる「大丈夫ロングバージョン~明日へ~」では、その温かく語り掛けるような歌声に鼻をすすったり、涙をぬぐったりする観客の姿も見られた。
アンコールでは「できたてほやほやの新曲」と話す「想い出フィルム」を初披露した。「当然のようにそばにいてくれる人が、急にいなくなることが信じられなかった。今は当たり前の日常が当たり前でないことを感じている」と、ことし8月に亡くなった父親に向けたかのような思いを客席に語り掛ける。
歌詞には「努力し続ければ、女神様が見つけてくれる」と父親からのメッセージを盛り込んだ。優しくも温かい歌声がホールを包んだ。歌い終わると、目が潤んでいるようにみえた。
「いろいろな出来事が自分自身を成長させられる。これからも、成長したjimamaを見せられるように努力する」と決意の言葉を口にした。めったに披露しない曲などを通じて“この日しかない、一日一日に感謝を”というメッセージをファンに届けた。(大城徹郎)
※注:reunionの「e」は上に「`」(グレイヴアクセント付きのe)