県内地価に上昇感 商業、住宅地2期連続


社会
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 県不動産鑑定士協会(松永力也会長)は8日までに、不動産業者の市況感を示す5~11月の業況判断指数(DI)をまとめた。地価が「上昇」と答えた割合から「下落」と答えた割合を引いた地価動向DIは、住宅地がプラス36・9、商業地がプラス43・0の高水準を記録し、それぞれ2期連続で上昇超幅が拡大した。

軍用地は前期比0・4ポイント減と一服感は見られながらも、プラス61・4と高止まりしており、県内不動産市場の上昇感の強さを浮き彫りにした。
 業者に市況の実感値を聞くDI調査は半年ごとに実施し、今回が3回目。今後半年間に対する予測値はプラス22・0~25・9で、プラスを維持しつつ上昇幅は縮まる見通しとなった。長く続いたこれまでの下落局面を踏まえ、先行きを慎重に見る不動産業者の傾向もあるようだ。
 地価の上昇基調について同協会の竹内優志業務委員長は「主たる購買層である生産年齢人口が増えている基礎的な需要の強さに加え、観光が下支えする消費の強さもあり、力強い変動が続いている」と分析。
 松永会長は「総評的には強いものの、地域によって上昇の度合いにまだらな面がある」と指摘した。
 調査は11月1日時点で県内全1489業者に調査票を配布し、448件(回収率30・1%)の回答を得た。協会ホームページ(http://okikan.jp/)で調査結果を紹介している。
 【取引件数】取引件数の実感値は宅地がプラス2・8、マンションがプラス4・7、戸建住宅プラス4・0と、増加超に転じた半年前の調査に続いていずれもプラスを維持した。数値も前回とほぼ同水準で、不動産需要は底堅く推移している。今後の予測でも宅地がプラス8・7、マンションがプラス4・5、戸建住宅がプラス5・3と増加基調が続く見通し。一方、軍用地の取引動向はマイナス14・6と3期続けて減少超となった。高値取引で推移する一方で、物件の品薄状態を反映している。
 【賃貸市場】アパートなど共同住宅の賃料がプラス2・3の上昇超に転じ、賃料の上昇傾向が見られた。一方、店舗等賃料はマイナス6・9で3期続けて下落超となった。稼働率は共同住宅がマイナス5・7、店舗等がマイナス6・2だった。
 今後の賃料と稼働率の予測について共同住宅、店舗等ともにマイナスの見通しだが、共同住宅の賃料を除いては、下落幅が縮まる見方となっている。