プロ目指し打に磨き 富士大・手登根祥


社会
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打撃力の向上とプロ入りを目指して練習に励んでいる富士大の手登根祥=11月26日、岩手県の富士大学(普久原裕南撮影)

 北東北大学野球連盟の富士大(岩手県)で浦添工高出身の手登根祥(3年)が活躍している。昨年の春季リーグ戦で指名打者としてベストナインに選ばれ、今秋のリーグ戦でもチームの勝利に貢献した。いつも胸に抱く思いはシンプルで、「多くのホームランを打つこと」。それでも「まだホームランが少ないし課題は多い」ときっぱり。誰よりも遠くへ白球を飛ばすため、沖縄を飛び出した強打者は努力を重ねている。

 「小学生のころからホームランを打って遊んでいた」と打撃は好きだった。浦添工高に進学するころからプロ入りを意識し始め、目標に掲げたのは「年間で20本のホームランを打つこと」。朝一番で練習を開始し、誰よりも遅く帰宅した。振り込む回数を多くしたり、マシンを活用したりして打撃強化を徹底し、高校通算44本塁打と結果を残した。
 県内屈指の高校生スラッガーとして注目されるようになり、プロ志望届を提出した。「プロに行ける」と自信はあったが、ドラフト会議の結果は指名なし。「大学で頑張ってリベンジをしよう」と心に決めた。声を掛けてくれた富士大に進むと1年のころから好調を維持し、2年春にベストナインを獲得。全日本選手権に出場するなど大学野球生活は順風満帆だった。そして、「どこかで満足している自分がいた」。打撃の成績は少しずつ下向き、3年春にはBチームへの降格を言い渡された。
 不調の原因は「精神的に波があったこと」。明るい気持ちのときには調子がいいが、落ち込んでいるときには結果を残せなかったという。それを克服するために、「冷静さを保って一定の気持ちで打席に立った」。今秋のリーグ戦から再び先発メンバーとして起用されるようになり、初戦の青森中央学院大戦で適時二塁打を放つなど調子が上向いていることを証明した。
 最終学年となる2016年の目標は明治神宮大会に出場すること。そして、県出身で富士大の先輩である山川穂高や多和田真三郎がいるプロの世界に進むことだ。「守備はまだまだうまくないし打撃の確実性も上げなければ」。目指す場所に立つため慢心することなく、自らの課題を見詰めながら歩んでいる。(平安太一)
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 てどこん・しょう 1994年6月3日、浦添市出身。宮城小、神森中、浦添工高を経て富士大に進む。中学まで捕手、高校から内野手。180センチ、87キロ。右投げ左打ち。