キングス逃げ切る TKbjリーグ第20戦


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キングス―富山 第4クオーター、相手のディフェンスを引きつけてパスを出す岸本隆一=13日、沖縄市体育館(又吉康秀撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区3位=14勝5敗)は13日、沖縄市体育館で富山グラウジーズ(東地区4位=12勝7敗)と第2戦(今季第20戦)を行い、95―80で勝利した。第1戦と同様にキングスは第1クオーター(Q)からミスが相次ぎ、八つのターンオーバーを重ねた。喜多川修平が外からリングを射抜いて食らいつき、第2Qはドゥレイロン・バーンズの連続得点で追い上げた。しかし富山の背中をとらえることができず、33―40とリードを許して前半を終えた。第3Qはオールコートの守備で富山にプレッシャーを与えると、バーンズや喜多川の得点で試合をひっくり返した。第4Qは岸本隆一のアウトサイドを皮切りにバーンズが3連続で3ポイントを沈めて優位に立った。終盤に富山が追い上げてもキングスは勢いを落とさず逃げ切った。キングスは19、20の両日、福島県の郡山総合体育館で東地区の福島ファイヤーボンズと2連戦を行う。(観客3385人)

琉球ゴールデンキングス(15勝5敗)
95―80(18―23,15―17,26―17,36―23)
富山グラウジーズ(12勝8敗)

 【評】3ポイントシュートが好調だったキングスが後半に試合をひっくり返した。前半はミスを繰り返すキングスに対して、攻守で安定していた富山が主導権を握った。後半はキングスもリズムをつかみ、外からのシュートでリードを奪った。3ポイント成功率がキングス55・6%に対し、富山は14・3%と差がついた。 (平安太一)

◆久しぶりホーム連勝
 伊佐勉監督(キングス)の話 久しぶりにホームで2連勝できて、お客さんが喜んでくれたことが良かった。第1Qはミスが多かったが、ここ数試合で一番やるべきことが徹底されていた。選手もハッスルしてくれて最後のビッグクオーターにつながった。

◆沖縄がいいプレー
 ボブ・ナッシュHC(富山)の話 敗戦したことを残念に思う。第4Qは沖縄がいいプレーをした。

◆第4Q 一気の攻め
 それは一瞬の出来事だった。4Qの開始と同時に、岸本隆一が富山のスローインを奪い取った。そのまま3ポイントラインの外側に移動し、迷うことなくシュートを放った。ボールがリングを突き抜け、会場が大歓声に包まれた。そしてそれが、猛攻の始まりとなった。
 山内盛久のスチールにバーンズの3連続3点弾が決まり、マクヘンリーはインサイドに切り込んでシュートをねじ込み、バスケットカウントも奪った。第4Qの開始時点でわずか2点だったキングスのリードは2桁に広がった。岸本は「昨日からスチールで流れをつかんでいたので、僕にもできるってことを見せたかった」と納得の表情で語った。
 第1戦の快勝から一転して、この日はリードされる時間が長かった。岸本は「ゲームの流れが(敗れた)先週の秋田戦と同じだ」と感じていた。失敗を繰り返さないため、「みんなに危機感を持つように言い続けた」。自らも積極的にリングに向かい、13得点6アシストと勝利に貢献した。
 最近の試合では調子が上がらず、今季初めてスタメンから外れた岸本は、「ここからいいパフォーマンスができれば」と願う。そして、「謙虚な気持ちを大事にしながらキャプテンらしく堂々とする」。本来の力を取り戻しつつあるエースとともに、キングスが次戦に向かう。
 (平安太一)

◆試合勝てず悔しい
 富山の呉屋貴教(コザ中―北中城高―日大)の話 親戚や友人がいっぱい応援に来ていて、沖縄でバスケができたことは良かった。試合に勝ちたかったので今はすごく悔しい。例年より調子は悪くないので、出場した時間に求められている仕事をやりたい。

◆養護施設の児童招待
 キングスは13日の富山戦に、児童養護施設や自立支援センターの児童ら175人を招待した。
 社会貢献活動「キングスおおきなわプロジェクト」の一環で、県内企業の協力を受けて実現した。同プロジェクトでは最大規模の招待企画となった。球団は「活動理念の『沖縄をもっと元気に』を今後もできるように引き続き努力する」とコメントした。