薬物摘発146人 最多 県警まとめ1~11月 「乱用まん延」警鐘


社会
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 県内の2015年11月末時点の違法薬物の摘発人数は146人で、統計を取り始めて以来、過去最多を記録していることが13日までに分かった。大麻事案の摘発者は直近5年間で最多の52人。覚せい剤事案の摘発者は3番目に多い70人だった。県警暴力団対策課は「薬物の乱用がまん延している」と警鐘を鳴らしている。

 県警によると、警察官による職務質問の所持品検査で違法薬物が発見される例が相次いだ。危険ドラッグの取り締まりが厳しくなったため、薬物常用者が覚せい剤や大麻の使用に回帰しているとの見方もある。
 過去5年間の薬物事案摘発者の再犯率は30~四十数パーセント台を記録。15年11月末時点の再犯率は前年比2・8ポイント増の35・6%だった。このうち覚せい剤の再犯率が62・8%で、大麻は7・6%、危険ドラッグは22・2%。覚せい剤の再犯率が突出して多い。
 県と県警は昨年12月に「県内危険ドラッグ販売店舗ゼロ宣言」を発表した。県薬務疾病対策課によると、11~14年11月末の時点で年間10~40件程度あった危険ドラッグによる救急搬送者数が昨年12月以降はゼロとなった。14年は沖縄地区税関によって県外から送られてくる危険ドラッグの摘発があった。
 県警暴力団対策課は「覚せい剤や大麻を使用していた人が法規制前の『脱法ドラッグ』を使用し、法規制が進み『危険ドラッグ』となったため、また覚せい剤や大麻に回帰している可能性がある」とした。