県内企業景況、41年間で最高 「良い」超が15期連続 12月日銀短観


この記事を書いた人 志良堂 仁

 日本銀行那覇支店(蒲原為善支店長)は14日、12月の県内企業短期経済観測調査(短観)の結果を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は全産業で前期(9月)より1ポイント増のプラス45となり、調査を始めた1974年以降最高となった。「良い」超は15期連続だった。一方、人手が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を差し引いた雇用人員判断DIは過去最低のマイナス34となり、景気好調の半面で人手不足の現状が浮き彫りになった。

 業種別DIでは、外国人観光客の増加による消費が好調で小売りが20ポイント増の70、運輸が22ポイント増の33、サービスが11ポイント増の67だった。蒲原支店長は「中国経済が減速する中、沖縄は極めて高い水準にある。沖縄経済が減速する具体的材料は見当たらない。好景気は持続していくだろう」と分析した。小売り、サービス以外にも「建設資材」「卸売」「飲食店・宿泊」「リース」の6業種がプラス50を超えた。
 県内景気が好調な一方、雇用人員判断DIが全産業で前期比5ポイント減のマイナス34となり不足超幅が拡大した。製造業が前期比3ポイント減のマイナス26、非製造業が6ポイント減のマイナス36となり、ともに過去最悪となった。先行きは2ポイント増のマイナス32と見通すが、新卒採用時期の一時的な解消見込みの数字で、全体的な回復の兆しはみられない。蒲原支店長は「給料を上げてもなかなか人が集まらない状況にある。県外や外国人の人材を活用する声も出ているが、人手不足が沖縄経済の足を引っ張るとは思えない」と解説した。