地裁支部視察中“93デシベル” 嘉手納爆音訴訟


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 【中部】米軍嘉手納基地の周辺住民2万2057人が日米両政府に対し、米軍機の夜間早朝の飛行差し止めと損害賠償を求めている第3次嘉手納爆音訴訟で17日、那覇地裁沖縄支部の藤倉徹也裁判長ら裁判官が視察する現地進行協議が開かれた。原告・被告がうるま市、沖縄市、北谷町、読谷村、嘉手納町の5市町村6カ所の民家や公民館などで騒音を測定した。

 各地域の原告らがそれぞれの測定場所で、騒音被害の実態や飛行する米軍機の機種・飛行経路などを藤倉裁判長らに説明した。現地進行協議は来年春ごろにも再度実施する。
 うるま市石川の美原公民館の測定では、F16戦闘機が飛行する際、この日最大の93・5デシベルを観測した。裁判官への説明に当たった原告の仲宗根洋子さん(60)は「ここは豊かな自然に囲まれている場所だ。一日でも早く普通の静かな『日常』を取り戻したい」と訴えた。