新たな琉舞創造 「創作舞踊の会」で11作品


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 国立劇場おきなわの「創作舞踊の会」が5日、浦添市の同劇場で開催された。同劇場の第6回創作舞踊大賞に入賞した3作品と招待の8作品を上演した。伝統を土台に新たな琉球舞踊の創造に挑んだ。

「てぃだ花咲いわたり」を踊る真境名あき=5日、浦添市の国立劇場おきなわ

 嶺井清美が作舞した「清ら思い」(うえちかずを作詞・選曲)は奨励賞を受賞した。夫への感謝を表現した作品。シンプルな振り付けの手踊りだが音楽とよく合っており、すっと心に届いた。
 第2回から毎回応募している真境名あき作舞の「てぃだ花咲いわたり」(比嘉康春編曲・作曲・選曲)は佳作となった。おもろの詞章を用い、自然の雄大さ、古来からの祈りの心を表現した。女性地謡が歌詞を重ねて歌い、祭祀(さいし)的な雰囲気を演出した。
 仲嶺麗子、絵里奈姉妹が作舞した「若水」(仲村渠達也作詞、麗子・絵里奈選曲)も佳作。祖父が行っていた家族の健康などを願う年中行事「若水取り」をテーマにした。水色の衣装で爽やかに踊る若衆踊。扇子、ひしゃくと小道具を持ち替え、最後の手踊りでは手水の所作も取り入れた。
 招待作品のうち、比嘉いずみは自身の創作「鳩間の主」を披露した。ダイナミックな構成、振り付けと高度な技量で魅せ、長年踊り込んでいることが感じられた。比嘉一惠は祖母比嘉清子の名作「みやらび」を踊った。作品世界をよく表現していた。(伊佐尚記)

「若水」を踊る仲嶺麗子(右)と仲嶺絵里奈