「一条の光」県民と共に 中高生、屋良朝苗の生涯熱演


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 【読谷】米統治下初の公選主席で、復帰後初の県知事を務めた屋良朝苗氏の生涯を描く「沖縄偉人劇 屋良朝苗物語-一条の光を求めて」(屋良朝苗顕彰事業推進期成会主催)が20日、読谷村文化センターで上演された。戦後沖縄の激動期に、不屈の精神で教育者、政治家として奮闘した屋良氏の生涯を中高生が熱演した。

舞台終了後、観客からの拍手に応える出演者ら=20日、読谷村文化センター

 出演者は読谷村、嘉手納町を中心とした中高生11人で、脚本は作家の大城貞俊さん、演出は平田大一さんが務めた。舞台では終戦当時の写真や新聞記事などの画像を上映しながら時代性を演出し、屋良氏が直面したさまざまな困難を再現した。
 戦後間もなく、灰燼(かいじん)に帰した学校現場を屋良氏が訪れる場面では「子どもたちの教育こそが未来をつくる」と熱弁する様子を描き教育者としての姿を浮かび上がらせた。
 復帰運動に取り組む場面では「沖縄の問題は県民の力で勝ち取る。一条の光を県民と共に探したい」という思いを語り、平和な沖縄の将来を願う心を表現した。上演後には、会場から大きな拍手が湧き起こった。
 屋良氏を演じた知念杏樹さん(17)=球陽高2年=は「演じることで、屋良さんが沖縄の将来のために生涯を尽くしたのだと肌で感じた」と話した。
 平田さんは「夏から稽古を重ね、トラブルやミスに負けず一生懸命演じてくれた。今の時代に直結する、いろんな思いが交差する舞台になったと思う」と述べた。