来年度沖縄予算案3350億円 0.3%増、政府決定


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 【東京】政府は24日、2016年度の内閣府沖縄関係予算案を本年度比0・3%(10億円)増の3350億円にすると決定した。前年度からの増額は14年度以来2年ぶり。概算要求の3429億円からは79億円減らした。来年1月の宜野湾市長選、県議選、島尻安伊子沖縄担当相が改選となる参院選への影響も考慮し、本年度当初予算から増額したとみられる。

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画に反対する翁長雄志県政発足直後の15年度予算は14年度から161億円減額されており、16年度は大幅減だった前年度より10億円の増額にとどまっており、前県政とは違う政府の対応が継続されていることも浮き彫りになった。
 使途の自由度が高い沖縄振興交付金(一括交付金)は15年度から5億円減額され、1613億円となった。ハード事業が約5億円減った。12年度の制度創設から5年目で2年連続の減額となった。
 10月に沖縄担当相に就任した島尻氏の肝いりで追加要求された沖縄子どもの貧困緊急対策事業費10億円のほか、西普天間住宅地区跡地の利用推進交付金10億円、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の進出を念頭にした県北部地域大型観光拠点調査費1億2千万円の新規事業も計上した。
 子どもの貧困対策は補助率が10分の10。16~21年度の沖縄振興計画期間を「集中対策期間」に設定し、対策に必要な予算の確保を図る。
 19年度末の運用開始を目指す那覇空港第2滑走路建設事業330億円、沖縄科学技術大学院大学(OIST)関連費167億円はいずれも15年度と同額計上となった。公共事業関係費等は15年度から8700万円、鉄軌道調査費は4600万円減額された。
 島尻氏は「これら予算を活用し、沖縄が日本のフロントランナーとして日本経済再生のけん引役となるよう引き続き沖縄振興に全力で取り組む」との談話を発表した。