キングス、年内最終飾る TKbjリーグ第24戦


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 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区3位=17勝6敗)は26日、横浜文化体育館で横浜ビー・コルセアーズ(東地区6位=13勝12敗)と第2戦(今季第24戦)を行い、92―83で勝利、2015年最後の試合を白星で飾った。厳しいディフェンスで優位に立ったキングスは前半を47―35で折り返したが、後半は横浜に追い上げられてリードを縮められた。それでも金城茂之やイバン・ラベネルが要所で得点して追撃を絶った。キングスは1月2、3の両日、沖縄市体育館に金沢武士団を迎えて正月ゲーム2連戦を行う。(観客3264人)

琉球ゴールデンキングス(18勝6敗)
92―83(22―17,25―18,22―25,23―23)
横浜ビー・コルセアーズ(13勝13敗)

 【評】勝負どころで集中力を切らさなかったキングスが横浜を振り切った。前半はキングスが守備からリズムに乗り、ベンチメンバーも奮闘してリードした。後半は横浜の攻撃に押されたが、キングスも着実に得点して逆転を許さなかった。横浜は点差を詰めた最終盤にミスが続いたことが響いた。(平安太一)

横浜―キングス 第3クオーター、ボールを奪って一気にリングを目指す金城茂之=26日、横浜文化体育館(平安太一撮影)

◆アウェー2勝大きい
 伊佐勉監督(キングス)の話 アウェーで2勝できてチームにとって大きな週末だった。横浜のエナジーレベルがすごいことは昨日から言っていたが、選手がのまれて相手のペースで試合が進んだ。どっちが勝つか分からないゲームで、こちらに勝ちが転がってきた。

◆勝つチャンスあった
 青木勇人HC(横浜)の話 選手たちは最後まで諦めずに戦ってくれた。勝つチャンスはあったけど、勝てずに連敗となったことは残念だ。ただ、得られたものは大きかった。これからステップアップして、来年は頑張りたい。

◆金城 殊勲のビッグプレー
 流れを変える大きなプレーだった。横浜に先行された第1クオーター(Q)の序盤戦、金城茂之がリングにアタックしてシュートをねじ込み、バスケットカウントも奪った。12点リードで迎えた第3Qは横浜の猛攻を受けて、4点差まで詰められた。そこでも金城がスチールからの速攻で得点して、嫌な空気を振り払った。「中に入る意識を強く持った」とリングに向かう強い姿勢でチームを鼓舞した。
 試合の開始直後から横浜が内外で得点し、キングスは苦しい戦いを強いられた。堅守でしのいでリードを奪うも、マクヘンリーとラベネルがファウルトラブルでベンチに下がる時間があった。それでも伊佐勉監督は「外国籍選手1人で戦うことは常に想定している」。身長197センチの大宮宏正が相手の外国籍選手にマッチアップし、バーンズがリバウンドを拾って苦境を乗り切った。
 後半はホームの大観衆に背中を押された横浜が勢いを増し、何度も点差を詰められた。第4Q残り約5分で3点差まで迫られたが、ラベネルが果敢にリングを攻め、フリースローも沈めて勝利を引き寄せた。
 苦しい戦いを乗り切り、2015年を勝利で締めくくった。伊佐監督も「チームが成長できている」とうなずく。しかし、リーグの頂点に向けて、厳しい戦いは続く。まずは新年最初の正月ゲームでの連勝をつかみに行く。(平安太一)

積極的な守備を見せる横浜の喜久山貴一(右)

◆横浜のルーキー喜久山、存在感示す
 横浜のルーキー喜久山貴一(美東中―美来工科高―順天堂大)がコートで存在感を示した。25日は第4Qにフル出場し、3点弾1本と4アシストを決めた。26日は約3分半の出場ながら積極的な守備でチームを支えた。敗戦に悔しさをにじませながらも、「ずっと憧れていたキングスとの試合は楽しかった」と達成感に満ちた表情を見せた。
 25日の試合を振り返り、「オフェンスでパスが回せた」と仲間を引き立てたことに手応えをつかんだ様子だ。「ディフェンスで流れを変える選手になりたい」と言い、26日の試合ではスチールも決めた。青木勇人HCも「沖縄特有のセンスがあって、それをゲームで生かせれば素晴らしい選手になる」と期待を寄せる。「これからもアグレッシブにプレーしてレベルアップしたい」と強調。チームの戦力になるために、今後も成長を続けるつもりだ。