コウノトリ 幸せ運んできた 伊江島で11年ぶり羽休め


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
湧出展望台付近に飛来したコウノトリ=23日、伊江島

 【伊江】国の特別天然記念物コウノトリ(コウノトリ科)1羽が23日、伊江島の湧出展望台付近で確認された。2004年の飛来記録以来、11年ぶり。沖縄野鳥の会の山城正那会長によると、19、20日に豊見城市で確認されたのと同じ個体。兵庫県豊岡市の人工巣でことし4月に自然繁殖して、6月に放鳥された個体と確認された。

 伊江島では22日の夕方ごろから目撃情報があり、23日の午前11時ごろ、湧出展望台を訪れた伊江島観光協会会長の古堅幸一さんが見つけた。バッタをついばむ様子も目撃したという。
 コウノトリは約1時間で3回、大空を舞った。何かを見定めたいのか、羽を休めたのか、いったん電柱の上で1、2分止まり、白黒の羽を大きく広げて大空を飛んだ。
 山城会長は「落ち着ける餌場を探して冬を越し、春になったら生まれ故郷の兵庫県に戻って繁殖してくれるのが理想」と期待した。
 観光で湧出展望台を訪れた那覇市在住の砂川哲男さん(63)は「新聞紙面で見ていたが、まさか伊江島で見られるとは思わなかった。幸運を運ぶコウノトリにあやかり、来年はいい年になりそう」とカメラを構えた。

伊江島に11年ぶりに飛来し羽を休めるコウノトリ=23日、湧出展望台付近