キングス逃げ切る TKbjリーグ第26戦


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キングス―金沢 第2クオーター、インサイドにパスを送る岸本隆一=3日、沖縄市体育館(普久原裕南撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区4位=18勝7敗)は3日、沖縄市体育館で金沢武士団(同7位=13勝14敗)と第2戦(今季第26戦)を行い、87―83で勝利した。
 キングスは第1クオーター(Q)から攻守に積極性を見せて42―34とリードして前半を終えた。
 後半はシュートがリングに嫌われて金沢に追い上げられたが、アンソニー・マクヘンリーが力強くリングに向かって悪い流れを断ち切った。
 キングスは16、17の両日、沖縄市体育館に浜松・東三河フェニックスを迎えてホーム2連戦を行う。(観客2984人)

琉球ゴールデンキングス(19勝7敗)
87―83(26―15,16―19,22―21,23―28)
金沢武士団(13勝15敗)

 【評】キングスが粘る金沢を辛くも振り切った。前半は激しいプレッシャーでキングスが優位に立ち、岸本を中心とした攻撃もはまってリードした。後半は金沢が攻守で勢いを増して終盤まで競り合った。最後は金沢がファウルゲームに持ち込んだが、キングスがリードを守った。(平安太一)

◆「らしさ」貫いた
 伊佐勉監督(キングス)の話 昨日と同様に接戦だったけど、自分たちのバスケットを貫いて勝利できたことはうれしい。昨日は結果的に第1Qからハッスルさせきれなかった。今日は最初からエンジン全開で、ベンチもゲームに集中していた。次の浜松戦に向けてもいい準備をしたい。

◆エナジーに圧倒
 鈴木裕紀HC(金沢)の話 警戒していた第1Qが全てで、沖縄のエナジーに圧倒された。苦しいゲームだったけど選手が頑張って接戦に持ち込んだことは評価に値する。うちは控え選手が育っていないので、タフなゲームが2試合続くのは体力的に厳しかった。

◆集中力 最後まで
 コートに立つメンバー5人の動きは、第1戦と明らかに違っていた。守備は本来の積極性を取り戻し、7試合ぶりに先発起用された岸本隆一が得点にアシストと暴れ回った。前半で優位に立つと、我慢の時間が続いた後半を耐えしのいで接戦をものにした。
 第1戦の前半について岸本は「力強さが足りなかった」と振り返る。序盤の重苦しい雰囲気を引きずって黒星を喫した反省から、岸本は「スタートで試合をクリエイトしようと思った」。相手守備の隙を切り裂くドライブに加え、仲間を引き立てるパスを回し、チームにいい風を吹き込んだ。
 後半はシュートがリングに嫌われ、金沢の猛攻を受けた。伊佐勉監督は「疲れから人とボールのスピードが遅くなった」と語る。それでも「意地の勝負だと思った」と言うように、リードが縮まった場面でマクヘンリーが奮闘して勝利への道筋を切り開いた。
 この日も試合の重要な局面でミスが飛び出したが、キングスは最後まで集中していた。伊佐監督も「足を止めずにキングスらしいバスケができた」とうなずく。次戦で迎える浜松は昨季のプレーオフで敗れた相手だ。指揮官は「やっと仕返しができるチャンスが来た」と闘志を燃やす。昨季の悔しさを消し去るため、負けられない戦いにキングスが挑む。(平安太一)

◆金沢・与那嶺、古巣相手に躍動/2戦で計29点稼ぎ出す
 金沢でプレーするキングスの元主将・与那嶺翼(北中城高―日体大出)が古巣を相手に躍動した。第1戦は15得点で勝利に貢献し、第2戦も内外からリングを射抜いて14点を稼いだ。「(選手紹介で)名前を呼ばれたときに声援が上がって気持ちが高ぶった」と笑顔を見せた。
 今季からリーグに参入した金沢で「いい伝統を築きたい」と強い決意を胸に抱いてプレーしている。プロ10年目のベテランは「チームを引っ張りたい」と語るように、キングス戦でも大声で仲間を鼓舞し続けた。
 現在チームは7位でプレーオフ進出圏内にいる。「まだまだ個々に頼っている部分が多い。40分間チームで戦える力をつける」とさらなる強化に向けて誓いを込めた。

キングス戦で躍動する金沢の与那嶺翼