係争委が却下理由 「国は一応の説明」 辺野古、通知書を公表


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設をめぐり、辺野古埋め立て承認取り消しの効力を停止した石井啓一国土交通相の執行停止の適否を審査し、12月24日に県の申し出を却下した国地方係争処理委員会(委員長・小早川光郎成蹊大法科大学院客員教授)は4日、却下理由を記した通知書を公表した。

 係争処理委は通知書で「公有水面埋立法で国以外に対する『免許』と国に対する『承認』は区別されているため、国は一般私人の立ち得ない立場で埋め立て承認を受けると解することができるのではないかとも考えられる。国交相の見解には一部疑問も生じるところだ」としながらも「国交相の主張は一応の説明となっている。(執行停止した)国交相の判断が一見明白に不合理であるとまでは言えない」と却下の理由を記している。
 係争処理委は一般論として、執行停止について、審査対象外とされる「審査請求等」に含まれると言及した。その一方で「ある者が『固有の資格』において処分を受けた場合、審査請求はできないと解される」として、その場合は審査対象となる可能性に言及している。
 その上で「国が『固有の資格』において埋め立て承認を受けるものではないとの結論自体に関して、確立した判例や行政解釈に明らかに反しているという事情は認められない。国の主張も一応の説明となっている」と県の申し出を却下した。