学テ後、燃え尽き傾向 県内2校 島袋琉大教授が分析


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  島袋恒男教授

 琉球大学の島袋恒男教授(教育心理学)は9日、小学6年生が全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)後に学習動機が低下する傾向にあることを、浦添市てだこホールで開かれた「学力向上先進地域育成事業最終報告会」で報告した。

 先進地域内2校の児童を対象に実施したアンケートを基に分析した。
 島袋教授は「高校や大学の入試後に燃え尽きるのと一緒だ。学力向上対策で意欲や人格を育てるには限界がある」と指摘した。その上で「勉強が将来の生き方に関係しているという意識を高める取り組みを、1年生のときから実施する必要がある」と強調した。
 島袋教授は、琉大の教授らが授業改善に指導・助言してきた成果として、児童が自発的に学習する意欲が高まり、学力向上の成果が見られた一方で、学習動機が長続きしない課題を挙げた。「学力テストをゴールにしてしまっている。成績がいい生徒が勉強しなくなっており、もったいない」と話した。