県は、与那原町と西原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区に建設する大型MICE(企業の報奨旅行や国際会議、見本市など)施設の面積を4万平方メートルにする方向で最終調整に入ったことが15日、分かった。週明けにも三役会議を開き、翁長雄志知事が正式に決定する。担当部署の文化観光スポーツ部は県三役に3万平方メートルを提示していたが、拡張を求める経済界の要望を受け入れる形で4万平方メートルに変更したとみられる。
経済団体幹部は同日、「(MICE施設の規模について)県から4万平方メートルという報告があった」と明かした。経済界はこれまで5万平方メートルを求めていた。同幹部は「経済界としても4万平方メートルでの活用方法を考えていきたい」と語った。
MICE施設は当初、展示場のほか、数千人規模の会食に対応できる多目的ホールと国際会議や研修に使用する中小会議室20~30室を整備する方針だった。県文化観光スポーツ部は、施設全体の面積を3万平方メートルにとどめ、拡張できる空き地1万平方メートルを残していた。
この場合、展示場専用として使える面積は最大で2万平方メートルだったことから、経済界から「10万平方メートルを超える大型施設が多いアジア地域を相手にして誘致競争をするのに、2万平方メートルでは開催地として選定されず、大きな機会損失を招く」と疑問視する声が相次いだ。このため沖縄経済同友会(代表幹事・玉城義昭沖縄銀行頭取、大嶺満沖縄電力社長)は昨年10月、県に対し5万平方メートルに拡大するよう要請していた。
文化観光スポーツ部は拡張用の空き地をつぶすことや、建設費が大幅に上回ることを懸念し、全体面積3万平方メートルを変えず施設内の使い方によって展示場空間を広げるという修正案を知事に提示した。しかし、県三役は納得せず、施設全体を4万平方メートルに拡大することを同部に指示していた。
県は16年度中に用地取得とMICE施設の基本設計・実施設計を行い、17年度に工事着工し、20年度に供用開始する予定。(呉俐君)