「MEC食」島の医療に推奨 渡辺医師、伊江で講演


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病気予防を啓発する沖縄徳洲会こくらクリニックの渡辺信幸院長=9日、伊江村はにくすにホール

 【伊江】伊江村医療保健課は9日、はにくすにホールで沖縄徳洲会こくらクリニックの渡辺信幸院長を講師に招き、「あなたの美容と健康に~肉食で痩せる~」と題した健康講演会を開いた。渡辺院長は「栄養状態の改善こそが離島医療には必要だ。病気になる前の予防が重要」と強調した。

 糖質がなく、1日に必要な栄養素がほぼ摂取できる肉(Meat)・卵(Egg)・チーズ(Cheese)を主食とする沖縄式肉食健康法「MEC食」の効果などについて講話した。
 渡辺院長はテレビやラジオ出演、著書、講演活動などを通して健康、病気予防を啓発している。
 肉・卵・チーズそれぞれの頭文字から名付けられた「MEC食」は、渡辺院長が赴任した僻地(へきち)・離島の医療経験から誕生。当時、離島で医師は渡辺院長1人。緊急患者の対応や台風時の緊急搬送ができない環境の離島。渡辺院長は、特に離島の人は「病気になってはいけない」「正しい食事をすれば病気をしない」と患者さんと二人三脚で作り上げた「MEC食」の思いや効果などを力説した。
 渡辺院長は「高血圧の一番の原因はタンパク質不足。腎臓病の原因は糖。糖尿病、肥満の原因は糖と早食い。便秘の原因は食物繊維の食べ過ぎと油不足だ」などと説明した。その上で「MEC食」と「ひと口30回噛(か)む、噛む噛む30回」を提唱し、「沖縄から全国へ発信してほしい」と講話した。
 同講演会は昨年に続き2回目。受講した50代の女性2人は既にMEC食を実践。「1カ月で約4キロ減量できた。血糖値が下がった。肌がきれいになったと言われた」と効果を話した。
 前回の講演会直後には参加者同士で「いえしまMEC会」も結成されている。
(中川廣江通信員)