沖大奨学制度、入学金も 同窓会支援で拡大、里子ら対象


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 沖縄大学同窓会(金城正弘会長)は昨年6月、創立50周年記念事業の一環として児童養護施設出身者や里親家庭で育てられた里子を対象に、入学金相当額(12万5千円)を贈る奨学金制度を創設した。

 児童福祉法上、子どもたちが施設や里親家庭にいられるのは原則18歳まで。経済的な理由で、高校卒業後の進学を諦める子どもたちが多いといわれる中、同窓会は進学の夢を後押ししようと制度を新たに設けた。
 沖大は2014年4月から、大学独自で施設出身者や里子を対象に、4年間の授業料計288万円を全額免除する「沖縄大学児童福祉特別奨学制度」を設けている。現在、同制度を活用して6人が学んでいる。
 同窓会の奨学金は1年次の学生に贈り、支給人数は例年5人を想定。同窓会が入学金を負担することで、支援制度がさらに手厚くなった。同窓会は昨年10月、同大国際コミュニケーション学科1年の神谷成実さん(19)=那覇市=に奨学金を贈った。
 神谷さんは昨年3月、南城市の児童養護施設「島添の丘」を卒園し、一人暮らしをしている。授業料免除を活用しながら、アルバイトを掛け持ちして住居費や食費をねん出しているという。神谷さんは「働きながらの通学はきついが、奨学金があったからとても助かった」と話し、「将来は英語の教員か、国際協力を手掛けるNPOで働きたい」と夢を広げた。