宮古、石垣にPAC3展開へ 北朝鮮ミサイル、破壊命令受け


この記事を書いた人 志良堂 仁
PAC3の運用に必要な車両の周辺で作業する自衛隊員=3日午後2時17分、南城市の知念分屯基地

 【東京】中谷元・防衛相が破壊措置命令を出したことを受け、防衛省は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を宮古島、石垣島に展開するほか、部品などが落下した場合に備え、与那国島などに陸上自衛隊の連絡員などを派遣する考えで県内の関係自治体と調整を始めた。先島諸島へのPAC3の展開は、北朝鮮が前回弾道ミサイルを発射した2012年12月以来となる。

 中谷防衛相は3日開いた緊急の幹部会議後、記者団に「いかなる事態にも対応できるよう万全を期したい」と強調した。先島へのPAC3の展開を問われ「調整している。(展開場所は)現時点で差し控える」などと述べた。
 PAC3は県内で航空自衛隊那覇基地、知念分屯基地に配備されているが、先島には本土から別の部隊が展開する方向で調整を進めている。輸送については海上自衛隊の輸送艦に加え、民間船舶を使用することも検討している。
 破壊措置命令では航空総隊司令官に対し「沖縄県の各地区へのPAC3部隊の展開を含む所要の準備を実施せよ」などとし、部品などが落下した場合、PAC3で破壊することを想定している。防衛省は先島へのPAC3の展開について3日までに正式な公表はしていない。
 破壊措置命令を受け、宮古島市には3日午前、自衛隊から7~8日にかけて岸壁の使用許可申請が出され、同市は申請を認めた。石垣市には防衛省から港湾が使用可能な日について問い合わせがあった。