特別支援学校、古波蔵の旧赤十字病院跡に建設へ


この記事を書いた人 志良堂 仁

 県は16日までに那覇市古波蔵の旧沖縄赤十字病院跡地に知的障がいのある児童生徒らを対象とした県立特別支援学校を新設する方針を固めた。那覇市内には知的障がいのある児童生徒らを対象にした特別支援学校がなく、1時間以上かけて市外の学校に通学している児童生徒が多くいる。保護者らは10年近く那覇市内への特支校の開設を求め県や市に要請を重ねていた。17日午後、翁長雄志知事が会見で発表する。会見に先立ち知事は16日午後5時すぎに予定地を視察した。

県立特別支援学校建設が予定される旧赤十字病院跡地。右後方は沖縄協同病院=那覇市古波蔵

 旧赤十字病院跡は県有地で9526平方メートル。特支校の開設には2万平方メートル前後の敷地が必要とされており、県は隣接する動物検疫所沖縄支所古波蔵検疫場の敷地の活用も検討している。古波蔵検疫場は国の施設だが閉鎖が予定されている。敷地は県有地。
 県特別支援学校PTA協議会などによると、2015年9月現在で、那覇市在住の児童生徒らのうち300人以上が市外の特支校に在籍している。特に島尻特別支援学校は過密化が進んでいる。
 県は昨年10月、那覇市内への特支校新設に向けた作業班(ワーキンググループ)を県教育庁内に発足し、市と調整を重ねてきた。学校建設予定地としてはほかに、移転が予定されている同市寄宮の那覇市民会館と県立図書館の敷地や、古波蔵の家畜衛生試験場の敷地、西町の運転免許試験場跡地などが検討されてきた。県は早期開校を重視し、既に更地となっている旧赤十字病院跡が建設事業に早期に着手できると判断した。
 (当銘寿夫、仲井間郁江)