新たに熱水鉱床発見 伊平屋島沖と久米島沖


この記事を書いた人 志良堂 仁

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は17日、伊平屋島沖と久米島沖の海底で金属が積もってできる海底熱水鉱床を新たに発見したと発表した。それぞれ採掘した鉱石から、銅や鉛、亜鉛、微量の金、銀の金属5種類を確認した。沖縄近海での海底熱水鉱床の確認は5カ所となった。JOGMECは今後も調査を継続し、17年度には海底の鉱石を陸上に引き揚げげて商業化の試験事業を始めることを計画している。

伊平屋島沖で見つかった海底熱水鉱床(JOGMEC提供)

 鉱床が見つかったのは、伊平屋島から北西約50キロの「田名(だな)サイト」と、久米島から北西約60キロの「比嘉サイト」。両地点とも排他的経済水域(EEZ)内に位置する。田名サイトは水深千メートルの海底に南北800メートル、東西600メートルの範囲に大小多数のチムニー(尖塔状地形)やマウンド(小さい丘)の群集を確認した。比嘉サイトは水深1500メートルの海底に直径約100メートルのカルデラ地形を確認した。
 JOGMECは14年12月に伊平屋島沖、15年1月に久米島沖で国内最大級の大規模鉱床の確認を発表しており、田名サイトはこれに匹敵する可能性があるという。
 鉱石を分析したところ、田名サイトは銅3・7%、鉛8・1%、亜鉛24・1%の割合で金属が含まれていた。金は鉱石1トン換算で3・9グラム、銀は同525グラムの含有だった。
 比嘉サイトの金属含有率は銅0・3%、鉛29・0%、亜鉛33・4%。金は鉱石1トン換算で0・05グラム、銀は同212グラムだった。
 JOGMEC金属資源技術部海洋資源調査課の両角春寿課長は「近辺にはさらに鉱床が見つかる可能性もあり、もう少し詳しく調べていきたい」と話した。