沖縄の30代が「世界新」 陸上のマスターズ選手権・35~39歳の部で「M35OKINAWA」 400mリレー


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沖縄の30代が「世界新」 陸上のマスターズ選手権・35~39歳の部で「M35OKINAWA」 400mリレー M35(男子35~39歳)の400メートルリレーで40秒92の世界新記録を樹立した(左から)1走の新垣隆仁、2走の矢野昌幸、3走の山川宗矩、4走の當眞裕樹、補員の知念新=10日、沖縄市の県総タピックひやごんスタジアム(提供)
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 陸上の第43回マスターズ競技選手権が10日、沖縄市の県総タピックひやごんスタジアムで開かれ、M35(男子35~39歳)の400メートルリレーでM35OKINAWA(新垣隆仁、矢野昌幸、山川宗矩、當眞裕樹)が40秒92の世界新記録を樹立した。これまでの記録は41秒30で0.38秒更新した。チームは昨年11月の秋季記録会で日本、アジア新記録を出したが、世界記録には0.15秒届かなかった。控えメンバーとして記録更新を見守った知念新も含め、ゴール後はチーム全員で喜びを分かち合った。

快走40秒92、昨年の壁越える

 昨年超えられなかった壁をついに乗り越えた。400メートルリレーのM35(男子35~39歳)で韋駄天(いだてん)の走りを見せた4人が40秒92をたたき出し、世界記録を打ち立てた。

 第1走の新垣隆仁はチーム最年長で今年39歳になる。「2、3年前は100メートル12秒台だったが、今年は昔のように11秒を切るまでに体を仕上げることができた」と努力を実らせた。後輩たちの存在が大きかった。「10秒台で走り、日本記録を持つ選手もいる。かなり刺激を受けた」とアスリート魂と負けん気に火がつき、記録を伸ばした。

 続く矢野昌幸は「去年は雨、風もあってかなわなかったが、今年は条件がうまくかみ合った」とうなずく。読谷の陸上クラブ「GROWTH」で子どもたちを指導するが、限界に挑む姿をお手本として示した。

 3走の山川宗矩は「いい緊張感でバトンをつなげた」と声を弾ませる。記録のいい選手からメンバーに入り、昨年第1走の知念新は補員としてレースを見守った。山川は「控え選手がいることで安心感があった」とチームとしての記録更新を喜んだ。

 アンカーの當眞裕樹は福岡在住。「3走の山川とは名桜大時代から一緒で連係に不安はなかった」とあうんの呼吸だった。アンカーとして全員の思いを成就させる会心の疾走だった。

 (大城三太)