最期の迎え方、考えて  県民健康フォーラムで「平穏死」議論


この記事を書いた人 志良堂 仁

 第7回県民健康フォーラム(県医師会、琉球新報社主催)が27日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で開かれた。約600人が集まった。東京都世田谷区立特別養護老人ホーム芦花(ろか)ホームの医師の石飛幸三さんが、終末期の在り方について「科学が発達してもわれわれは死に向かっていく。一度きりの人生、最期をどう迎えたいのかをしっかり考えてほしい」と呼び掛けた。

 口から食べられなくなった終末期の高齢者が、過剰な水分や栄養分を控えて穏やかに最期を迎える「平穏死」をテーマに開かれた。
 患者の治療を続ける中で、延命治療の在り方に疑問を抱いたという石飛さん。入所者の母親に対する経管栄養を拒んだ息子の「食べさせないから死ぬのではなく、死ぬのだから食べないんだと教わった」との言葉に気付かされたという。
 ホームで平穏死を迎えた高齢女性を例に、終末期の治療は本人や家族の意思が優先されるとした上で「何が親のためになるのか、一人一人が自分の問題として捉えてほしい」と語った。
 パネル討議は、石飛氏のほか、日本尊厳死協会おきなわ会長の源河圭一郎さんとオリブ山病院看護部の又吉昌代さんが登壇した。

会場いっぱいの約600人が来場し、終末期医療の在り方を考えた「第7回県民健康フォーラム」=27日、那覇市西のパシフィックホテル沖縄