多良間で八月踊りが始まる 4年ぶり開催、土原御願所で伝統芸能を奉納


多良間で八月踊りが始まる 4年ぶり開催、土原御願所で伝統芸能を奉納 八月踊りの福禄寿座踊の中で、豊年を祝った口上を述べる長老(前列左から2人目)ら=22日午前11時10分ごろ、多良間村仲筋の土原御願所
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 【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間島の豊年祭「八月踊り」が22日、始まった。初日は、村仲筋の土原御願所で組踊「忠臣仲宗根豊見親組(とぅゆみゃくみ)」や琉球舞踊など27演目が奉納された。4年ぶりの開催に、観光客や地元住民は長年受け継がれてきた伝統芸能に見入った。

 忠臣仲宗根豊見親組は、1522年に仲宗根豊見親が尚真王の命を受けて、与那国島の鬼虎を討伐する物語で、多良間村でのみ演じられている。

 今回、初めての取り組みとして忠臣仲宗根豊見親組のせりふに合わせて舞台横のモニターに現代語訳を映した。観客は組踊を見ながらモニターを確認し、物語を楽しんだ。

組踊「忠臣仲宗根豊見親組」で与那国島の鬼虎を討ち取り、がい旋する仲宗根豊見親=22日午後、多良間村仲筋の土原御願所

 仲筋字会長の森山実夫さんは「誇り高い祭りを4年ぶりに開催し、多くの人をお招きできたことを喜んでいる。この文化を守ってくれた先人たちに敬意を払い、次の世代へと継承していきたい」と語った。

 23日は同村塩川のピトゥマタ御願所で、最終日の24日は「ワカレ」と称して仲筋、塩川の両地域で芸能を奉納する。

 (友寄開)