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「ミスターキングス」が子どもたちにバスケ指導 金城茂之さん、沖縄でスクール開始


「ミスターキングス」が子どもたちにバスケ指導 金城茂之さん、沖縄でスクール開始 バスケットボールを通して、体の使い方などを教える金城茂之さん=3日、南城市の喜良原体育館(屋嘉部長将撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 屋嘉部 長将

 琉球ゴールデンキングスで「ミスターキングス」の愛称で親しまれた金城茂之さん(38)が、沖縄で子どもたちにバスケットボールを教えるスクールを10月から本格的にスタートさせた。5月に仙台89ERSのアシスタントコーチ(AC)兼スキルコーチを契約満了で退団。「教える活動はやりたかったし、タイミング的に今かなと思った」と柔和な表情で今後の展望を語った。

 キングスには創設当時から在籍し、bjリーグ4度の優勝に貢献した金城さん。2019―20年シーズンからは仙台と契約し、2シーズンを過ごし現役を引退。その後、AC兼スキルコーチとして携わった。指導への道を考えたきっかけはキングス在籍時代に、岸本隆一とオフの練習をしていたことだった。指導してくれた人から多くのことを学び「知らないことを知り、自分のバスケットが広がった」。その思いは、自分が学んできたことを伝えたいと変わっていった。

バスケットボールを通して、体の使い方などを教える金城茂之さん(右)=3日、南城市の喜良原体育館(屋嘉部長将撮影)

 仙台では、藤田弘輝HCから多くのことを学んだ。「めちゃくちゃ楽しかった。知らなかったことをたくさん学べて、自分がやってきたことの正しさも再確認できた」と振り返る。ACの仕事も充実していたが、沖縄に帰ってバスケットを教えてみたいという思いは大きくなっていた。ACの契約継続の話もあったがオファーを断り、沖縄でスクールの準備を始めた。

 体育館の予約がなかなか取れず、9月は曜日を限定して始めた。10月からは場所が確保でき、平日に本部町や那覇市、宜野湾、南城市などで開催する。スクールではボールを使った体の動かし方やシュートまでのステップなど、金城さんが考えた練習法を教える。スキルよりも体の動かし方など基礎基本を重視しているという。

 指導を受けた當山仁翔さん=玉城小3年=は「ボールを細かく動かす動きができてきた。練習は楽しいし、もっとうまくなりたい」と笑顔を見せた。金城さんはさらに、あいさつや感謝することなど人間形成も大切にしていきたいといい、「うまければいいという人にはなってほしくない。応援されるような人になってほしい」と語る。

 子どもたちの大きな可能性を伸ばすことを目指している。将来のプロ選手発掘に「プロは相当な覚悟が必要だけど、いつかは出たらうれしいよね」。選手、ACに続くシゲさんの第3の人生は始まったばかりだ。

 スクールの問い合わせは金城さんのインスタグラムか080(6671)5536。

(屋嘉部長将)