給食費、年最大5万円差 本紙県内市町村調査


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 小中学生の学校給食費について、県内41市町村で無料の自治体が5町村あり、徴収している自治体では、小学校が月額2900~4300円、中学校が月額3400円~4800円と開きがあることが、琉球新報の調べで6日までに分かった。独自の予算で助成制度を設けている自治体は18市町村あり、このうち、滞納がある世帯は助成制度を「利用できない」と答えた自治体が5市町村あった。無料の自治体とは最大で年間約5万円の差があり、助成制度の有無で子育て世帯の負担が大きく異なることが浮き彫りになった。

 2月22日から41市町村の教育委員会や学校給食センターの担当者にアンケートをファクスで送り、6日までに回答がそろった。
 調査結果によると、県内の給食費で、最も高いのは中学校で那覇市、糸満市、南城市の4800円、小学校でも同3市の4300円だった。
 宜野座村や金武町などは、食材費を一般財源で負担して、給食費を低額に抑えている。那覇市は、食材費の高騰を理由に4月から月200円の値上げを決めており、4月から小学生月額4500円、中学生月額5千円に改定する。
 4月からの値上げは那覇市だけだが、食材費の高騰や消費税増税を見据え、2017年度以降、値上げを検討している自治体はほぼ半数の19市町村に上った。
 無料化は嘉手納町、与那国町、粟国村、多良間村、渡名喜村の5町村で、南風原町は幼稚園児の給食が無料。離島の自治体が多く、子育て世帯の負担軽減や定住化促進が目的だ。嘉手納町は県内でいち早く2011年度から無料化を実施。14年度は町内の全小中学生1380人が対象で、予算総額は約6640万円。
 一方、滞納がある世帯を「補助の対象外」としているのは宜野湾市、名護市、石垣市、東村、北谷町の5市町村。いずれも未納分を完納後に、小学生児童半額、第3子以降を全額免除するなどの自治体独自の補助を利用できる。
 識者は市町村により給食費や補助率が異なるのは教育の平等に反するとし「国が責任を持って取り組むべきだ」と指摘している。(新垣梨沙)