被災地に笑顔届ける 学童職員・比嘉さんら福祉施設訪ね三線披露


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 【浦添】浦添市の当山っ子保育学童職員の比嘉恵一さん(25)は2月11日から14日まで、宮城県石巻市内の高齢者のデイサービス施設と保育園を訪問し、三線や沖縄の絵本を届け被災地の状況を視察した。比嘉さんは「5年たっても復興が進んでいない所がたくさんあった。現地の人たちもこの状況を知ってほしいと話していた」と述べ、多くの人に現地の様子を伝えたいと考えている。

石巻市の高齢者施設で三線を披露し現地の人と交流する比嘉恵一さん(手前左)と諸見里美咲さん(同右)=宮城県石巻市(比嘉さん提供)

 比嘉さんは同学童にボランティアで来ている諸見里美咲さん(20)=沖縄女子短大2年=と共に石巻市を訪れた。
 比嘉さんらは以前から被災地を訪問して現地の人たちを励ましたいという思いがあった。今回1年ほど前から計画し、石巻市社会福祉協議会の紹介や、自ら現地の認可外保育園などに電話をし訪問を実現した。
 「安里屋ユンタ」や「てぃんさぐぬ花」「涙そうそう」など沖縄の歌を中心に約15曲を披露し、「エイサーだいこでチムドンドン」などの絵本2冊、カンカラ三線、手作りのお守りなども届けた。
 多くの人が犠牲になり、今は骨組みしか残っていない南三陸町の防災対策庁舎を目の当たりにした時は胸が詰まる思いだったという。
 「歌の間だけでも幸せになればと思って届けてきた。つらい経験をしながらも笑顔で過ごしているのを見て自分たちが勇気付けられた。沖縄の子どもたちにも現地のことを伝えて思いを共有している。多くの人に被災地について知ってほしい」と語った。