特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」第7日は13日、鹿児島県内各地で行われた。自転車競技では、少年男子ポイントレースで畑祐太郎(首里東高3年)が3位に入った。成年男子スクラッチ(10キロ)の國吉優希(朝日大)、成年女子スクラッチ(8キロ)の成海綾香(普天間中―南大隅高―鹿屋体大出―鹿児島県スポーツ協会)はそれぞれ6位に入った。
成年男子スクラッチ決勝(10キロ)の國吉優希(朝日大3年)はラスト1周を切って12位。「残り5周の時点で隙をうかがっていたが集団の中で挟まれてしまい、スパートできない体勢だった」と焦りがあった。
得意のスプリント力を発揮できないまま終わることだけは避けようと「こけてもいいから突っ込んだ」。残り半周で集団をかき分けるようにスピードを加速させ、圧巻の一気5人抜き。「そんなに抜ける力があったら、もっと最初で前にいとけば良かった。いい位置でスパートできたら3位ぐらいとれた」と苦笑いした。
大学入学後に筋力をつけて、体重を17キロ増やした。それに伴い、スプリント力も伸びた。一方で、今季はことごとく不運に見舞われた。年間を通して大きな大会は悪天候中止、チーム内のコロナクラスター、自らの持病の手術などで出場が取りやめとなった。
高校、大学を通じて全国での入賞は初めて。来年、競輪の試験合格を目指し、さらなる肉体改造に取り組むつもりだ。「これからは短距離種目に絞ることになる。来年の国体も出場できるなら1キロタイムトライアルで勝負したい」と目標に突き進む。
(大城三太)
鹿児島の地で選手として一回りも二回りも大きく成長した成海綾香(普天間中―南大隅高―鹿屋体大出―鹿児島県スポーツ協会)は昨年のとちぎ国体と同じ6位。「同じ順位でもあの時とは違って自らの成長を感じることができた」と晴れやかな表情だった。「トラックレースは、この国体を節目に引退すると決めていた。鹿児島への恩返しの思いを込めて走った」と特別な思いがあった。
レースは先頭を走る有力選手と、後方から追い掛ける成海らの集団との駆け引きが続いていた。「誰も先頭を追わない様子見が続いたが、逃げ切らせないようにけん制が入り、ペースが落ち着いた。だけど、中盤の疲労が足にきていて最後はタイムが伸びなかった」と振り返る。それでも「自分なりの立ち回りはできた。力を出し切った」と充実感を漂わせた。
最終日の15日はロードがある。慣れ親しんできた道や繁華街が舞台となる。「地の利を生かして、勝負どころで仕掛けたい。何よりもレースを楽しみたい」とやる気をみなぎらせる。
山場は残り10キロを切った地点の上り坂。「先頭集団に残って、上りが得意な選手にどのぐらい食らいつけるかが大事」と上位を狙う。
(大城三太)
<自転車>
(鹿児島県根占自転車競技場)
▽成年男子1000メートルタイムトライアル (28)新垣快琉(日体大) 1分10秒591
▽同ポイントレース決勝(3万メートル) (18)比嘉祐貴(日体大)=得点なし
▽同スクラッチ決勝 (6)国吉優希(朝日大)
▽少年男子1000メートルタイムトライアル (19)仲真良河(北中城高) 1分9秒328
▽同ポイントレース決勝(2万4000メートル) (3)畑祐太郎(首里東高) 13点
▽同ケイリン準決勝
「2組」 (4)久貝一心(北中城高)=7~12位決定戦へ