子どもの貧困解消へ県民会議設置 県が対策計画決定


この記事を書いた人 志良堂 仁

 全国平均を大幅に上回る沖縄の子どもを取り巻く貧困を解消しようと、県は16日、「県子どもの貧困対策計画」案をまとめた。行政や教育、福祉、経済労働関係団体による「子どもの貧困解消県民会議(仮称)」設置を位置付け、全県挙げての体制で貧困対策を推進する。離島やへき地などの実情に即した施策にも取り組む。年度内に知事決裁を得て計画を正式に決定する。実施期間は2016年度から21年度までの6年間。

 県が子どもの貧困に特化した計画をまとめるのは初めて。同日、県庁で開かれた「県子どもの貧困対策推進会議」(議長・翁長雄志知事)で計画案を了承した。
 乳幼児期から小中学生、高校生、若者期までライフステージに応じた切れ目のない支援が特徴。子どもの貧困を社会全体の問題として捉え、貧困の連鎖を断ち切り、次世代を担う人材育成を基本方向とした。
 34項目の数値目標を設定。高校の中退率を2・2%から全国平均並みに引き下げ、無料塾など学習支援を33市町村から全41市町村に拡大することなどを盛り込んだ。就学援助の充実促進のほか、低所得世帯の学童クラブ保育料軽減、児童館などを活用した居場所を確保。高校中退防止へ学校内に居場所を確保し、中退者が再入学する際に一定期間授業料を支援。中学・高校卒業時の進路未決定者や若年無業者の減少を目指す。
 県はパブリックコメント計147件のうち、離島・へき地対策など9件を計画案に反映した。