特区で医療ツーリズム 病床確保、国に申請へ 豊見城中央病院


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤

 豊見城中央病院(豊見城市上田、潮平芳樹院長)が再生医療など先進技術による医療ツーリズムの推進に向け、国家戦略特区の認定を県と申請することが20日までに分かった。医療法の特例により、県の定める基準病床数とは別に事業に必要な病床数を割り当てる。24日に東京で開催予定の区域会議で提案され、沖縄の特定事業として計画決定される見通し。

 豊見城中央病院は、市与根に新病院を建設する移転計画があり、2018年末から19年初めの開院を目指す。新病院は国家戦略特区を受けて拡大される病床数も含め、429床を想定している。
 新病院で推進する事業では(1)再生医療(2)がんの放射線治療(3)軽度三角頭蓋(前頭縫合早期癒合症)の頭蓋形成手術-の三つを設定する。先進的な医療を提供することで、アジアを中心に海外からも治療患者を受け入れる医療ツーリズムに対応していく。
 加工培養した細胞を再び患者の体内に戻して治療する再生医療の技術確立に向けては、既に11年に先端医療研究センターを開設した。昨年7月には東京女子医大と友好連携協定を結び、16年度にも早期食道がん手術後の細胞シート移植について臨床研究を始める。がんの放射線治療では中性子線治療機器の新設を今後検討していく。
 さらに外国人の患者に対応する医療通訳の育成など、医療スタッフの言語対応なども強化していく。
 政府は地域を限って規制を緩和する国家戦略特区の対象地域として沖縄全域を指定している。具体的な特定事業では、多言語観光案内板などを設置するため国際通りやモノレール旭橋駅周辺で道路占有基準を緩和する「国際観光イノベーション特区」、保育士不足に対応した「地域限定保育士制度」の2件がこれまでに認定されている。