リオ出場へ弾み あやはし海中ロードレース 車いす女子2位・木山さん


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リオ五輪出場に向けて弾みをつけた木山由加さん=3日、うるま市与那城総合公園陸上競技場

 【うるま】うるま市で3日開催された「第16回あやはし海中ロードレース大会」で、参加者は景観を楽しみながらそれぞれの走りを満喫した。天候にも恵まれ、ゴール後には爽やかな笑顔が広がった。
 昨年の第15回大会に続いて、今回も競技用車いす選手による5・9キロのレースが行われた。2012年のロンドンパラリンピックに出場した木山由加さん(32)=岡山県=は多くの人に見守られながら、19分13秒でゴールした。リオ五輪の選考会が迫る中「楽しく走ることができ、気分転換になった」と弾みをつけた。

 木山さんは徐々に運動能力が低下する脊髄小脳変性症の影響で、18歳から車いすに乗っている。幼いころから運動は控えていたが、同じ病気の兄が競技用車いす「レーサー」に乗って走っているのを見て「道具を使えば、私も走れる」と競技を始めた。
 リオ行きの切符をつかむために沖縄に合宿に来ていたところ、大会があることを知り出場を決めた。木山さんの専門はトラック競技だが、女性の部で2位に入賞した。「きつかったけど、たくさんの人が応援してくれて楽しかった」と振り返る。
 大会の良さに多くの人に車いす競技を見てもらえることを挙げる木山さん。「走っているところを見てもらい、競技の認知度が上がってほしい」と期待を込める。ロンドンでは獲得できなかったメダル。リオでつかみ取るため、木山さんは進み続ける。