石垣、キビ生産減少 台風や長雨で糖度も低下


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
収穫が遅れ、終了予定の3月からずれ込み操業が続いている石垣島製糖の工場=4日、石垣市名蔵の石垣島製糖

 【石垣】昨年相次いだ台風や収穫時期の長雨の影響で、石垣市のサトウキビの生産状況が深刻化している。台風被害と天候不順が響き、今期の原料生産量や糖度が低下している。昨年12月から続いた長雨で収穫期間が長引き、生産準備も遅れているため、来期の生産量はさらに減少する見込みだ。農家への影響は必至で、関係者は「厳しい状況だ」と語った。

 石垣島製糖は今期の糖度を14・19度と見込んでいたが、昨年台風が相次いだほか、糖度上昇に必要な秋ごろの冷え込みが足りず、計画を2度下回る見通し。糖度12度は過去にない低さという。
 原料生産量は計画の7万8343トンを下回る7万7500トンで、原料に対し製糖できた量を示す歩留まりも計画の12・02%より2ポイント低下する見込み。
 一方、収穫は昨年12月からことし2月ごろまで続いた長雨で遅れ、3月末終了予定の工場操業が現在も続く。生産準備も進まず同社は来期の原料生産量が約7万トンに減少するとみている。
 4日に市役所を訪れ中山義隆市長と面談した石垣島製糖の松林豊社長は「今期は糖度も非常に低く、製造、品質共に過去にない(厳しい)状況だ。長雨で収穫が遅れ、次期の植え付けに影響している」と窮状を訴え、行政の支援を求めた。