地産の花レイに 農家「励みになる」 大谷さん講演 伊江


社会
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作ったレイを胸に笑顔を見せる参加者と講師の大谷幸生さん(左から2人目)=3日、伊江村中央公民館前

 【伊江】伊江村教育委員会は公民館講座の一環で2日、フラワーアーティストでレイメーカーとしても幅広く活躍中の大谷幸生さん(UMAHANA代表)を講師に招き、「笑顔の花飾り」と題したお話会を村農村環境改善センターホールで催した。レイとの出合いやレイを通して出会った全国の人々の笑顔とエピソードなどを写真を交えて紹介した。

 フラガールとの出会いを契機に独学でレイ作りを始めた大谷さん。ハワイ在住の民俗学者、マリー・マクドナルドさんに師事して技法などを学んだ。「日本の花を使いなさい」と言われた師の言葉が鍵となり、大谷さんはその土地に育つ花などでレイを編み、暮らす人や栽培農家らにレイを贈る活動を続けている。
 大谷さんは約2年半で47都道府県50カ所を巡り、全国の花のレイでつないだ旅を一冊の本にまとめた。旅先で出会った人々のエピソードなどがお話会で語られた。
 大谷さんは「誇りを持って栽培された花も、商品にならずに破棄されてしまうこともある。視点を変えて『こんなふうに生き返る』ということや地元の産業に興味を持って後継者が増えたらいい」と話した。
 3日には、同村で栽培されているスプレーギクを使ったレイメイキング・ワークショップが行われ20人が参加。センネンボク(ティーリーフ)の葉にキクの花を包んで三つ編みで編み上げた。
 キクは同村の生産農家が無償提供。提供者の一人で両日参加した東江静枝さんは、「キクでレイができるとは思ってもいなかった。栽培する励みになる」と喜びを話した。(中川廣江通信員)