キングス圧倒 広島に107―66 TKbjリーグ第47戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=36勝10敗)は9日、沖縄市体育館で広島ライトニング(同12位=1勝43敗)と今季第47戦を行い、107―66で勝利、連勝を14とした。キングスは第1クオーター(Q)からイバン・ラベネルや大宮宏正の高さを生かして優位に立ったが、広島の3点弾に苦しめられた。第2Qにはドゥレイロン・バーンズがインサイドに攻め込んで点を重ね、58―35と大きくリードして前半を終えた。第3Qは守備を修正して広島の流れを断ち切ると、速いテンポの攻撃で一気に引き離した。広島との第2戦は10日午後6時から同体育館で行われる。(観客3520人)

琉球ゴールデンキングス(37勝10敗)
 107―66(26―14,32―21,30―16,19―15)
広島ライトニング(1勝44敗)

キングス―広島 第4クオーター、速攻から鮮やかなレイアップで得点するキングスの新城真司=9日、沖縄市体育館(普久原裕南撮影)

 【評】キングスが後半に守備を修正して圧勝した。前半は外から積極的にシュートを放つ広島に苦しめられ、リードを許す時間もあった。キングスは高さのあるラベネルや大宮がインサイドで力を発揮し、リバウンドで優位に立って広島に主導権を握らせなかった。後半はオールコートで厳しくプレッシャーを与えるなど守備を修正。広島のミスを誘発すると、速さのある攻撃で一気にリードを広げた。広島はスピードのある攻撃を見せたが、サイズ面の劣勢をカバーし切れなかった。(平安太一)

◆細かい部分できず
 伊佐勉監督(キングス)の話 難しいゲームになると想定していたが、広島の選手が思った以上にアグレッシブで速さがあって、ディフェンスがやりにくかった。細かい部分で自分たちがやるべきことを実行できなかった。そこの遂行レベルを高めたい。

◆タフな試合になった
 ジョー・ナバーロHC(広島)の話 タフな試合になった。スピードを生かしていこうと思ったが、リバウンドでやられた。明日(10日)はリバウンドでもっとクリアにやりたい。沖縄は素晴らしいチームで優れているが、うまくできるようにしたい。

◆日本選手奮闘14連勝 ミス多く、PO向け反省も
 前半で23点のリードを奪ったが、点差ほどに楽なゲームではなかった。コートに立つ5人が日本人のみと高さで劣る広島は、スピードと3点弾でキングスに襲い掛かった。伊佐勉監督が「ディフェンスがしっくりこなかった」と言うように、序盤は広島の猛攻を受けて追い掛ける展開に。逆転してリードを広げても点差を詰められる嫌なムードとなったが、日本人メンバーが悪い流れを断ち切った。
 先発起用された小菅直人は泥臭くボールを追い掛け、攻撃では外からリングを射抜いて広島に傾きかけた流れを変えた。197センチの大宮宏正はラベネルと共にリバウンドを拾い、第3Qには豪快なダンクシュートをたたき込んだ。
 普段はゲーム終盤に起用されることの多い新城真司は第1Qの中盤から登場。伊佐監督から「アグレッシブに行け」と背中を押されると、長いリーチを生かしてブロックやスチールを決め、10リバウンドを拾った。「攻撃は得意ではない」と言うが、この日は6得点3アシストと持てる能力を発揮した。
 結果は100点ゲームでの圧勝だったが、大宮は「イージーミスが多くて(身長が)低い相手に合わせていた」と持ち味を発揮できない時間があったことを反省する。新城も「前半は自分たちのバスケができていなかった」とキングスらしさを出せなかったことに課題を感じている。
 レギュラーシーズンの残り試合もあとわずかで、プレーオフ(PO)に向けて総仕上げの時期に差し掛かっている。新城が「明日は前半からキングスのバスケをする」と言うように、試合で見つかった課題をしっかりと克服することが必要になる。
(平安太一)