御座楽と路次楽再現 金武御殿一門が清明祭


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
参列者が拝礼する中、厳かに御座楽を演奏する琉球王朝禮楽研究会のメンバー=10日、那覇市首里山川町の金武御殿歴代墓所「本覺山陵」

 第二尚氏王統第8代王・尚豊王の弟、金武王子朝貞の血を引く金武御殿一門の清明祭が10日、那覇市首里金城町の玉陵と同山川町の金武御殿歴代墓所「本覺山陵(ふんかくさんりょう)」で執り行われた。本覺山陵の清明祭では、琉球王朝の宮廷音楽、御座楽と路次楽の演奏が再現された。約30人の参列者は厳かな雰囲気の中、祖先に拝礼した。

 金武御殿一門は尚豊王の父、尚久王を始祖とする一門。本覺山陵の碑文には、尚豊王の母が亡くなった1624年、ちょうど来琉していた冊封使が、演奏や祭文拝読のために明国の役人を葬儀に派遣したことが記されている。
 その後、清明祭は琉球王朝の国家行事として行われていたが、1879年の廃藩置県で王府の音楽家がいなくなり、清明祭の演奏もなくなっていったという。
 演奏を担当した琉球王朝禮楽研究会の胡城泰一代表は「この場所で演奏するのは初めて。音楽を聞いて涙を流す人もいた」と話し、演奏できたことを喜んだ。