渡嘉敷に新しい風 島体験留学生 小中校生6人移住


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渡嘉敷島体験留学生の6人と里親の坂田夫妻とその子ら=8日

 【渡嘉敷】渡嘉敷村教育委員会(新垣一典教育長)が同村の児童生徒の減少に歯止めをかけようと、昨年12月から島外の小中学生の「島体験留学生」を初めて募集したところ、6人が希望して島に移住、7日に開かれた渡嘉敷小中学校(上原博美校長)の入学式から島の子と一緒に学んでいる。

 渡嘉敷村教育委員会では留学生を毎年8人程度を目標に3年間受け入れ、初回の本年度は小学6年生の男子2人=東京、愛知=と中学1年生(男2人、女1人)=北海道、神奈川、三重、中学2年生(男1人)=東京=が入学した。
 渡嘉敷小では昨年度は6年生の在籍者がなく、本年度は1年ぶりに全学年に児童が在籍する。児童数も昨年度より8人増え29人となり、島の子どもたちは仲間が増えたと喜んでいる。
 留学生6人は渡嘉敷区の坂田竜二さん(47)、明子さん(39)夫妻が里親として受け入れ、同住宅で夫妻とその子ども2人と共に生活を送り通学している。
 県外出身の坂田夫妻は2007年に渡嘉敷村に移住し、09年度から4年間、小中学生の山村留学生を毎年4~8人ほど受け入れしたこともある。一時期島を離れたが、昨年再び渡嘉敷村に移住した。妻の明子さんは「わが子のように家族として大きく育つことが楽しみ。留学生たちが島に新しい風を吹かせてほしい」と話した。
 留学生は「島の仲間と一緒にきれいな海で思い切り釣りや素潜り、キャンプなどを楽しみたい。学校や地域の行事も楽しみ」と島生活に期待を膨らませた。
 渡嘉敷小中の上原校長は「島の子どもたちに刺激を与え、学校教育や地域の活性化を図るきっかけになれば」と期待を寄せた。
(米田英明通信員)