社会

「声うるさい」「渋滞起きる」 中部の保育園新設難航

 認可保育園の新規開設を巡り、近隣住民からの苦情で断念するケースが全国で問題となっていることについて、県内でも「子どもの声がうるさい」「渋滞になる」などの声で、設置場所の移転を余儀なくされるケースが2015年4月以降、2例あったことが13日までに分かった。県によると、いずれも中部の自治体で、1園(定員110人)は15年度中の着工を見送り、新たな場所を探している。もう1園(定員80人)は場所を数百メートル移動し、ことし4月に開園した。

 「保育園落ちた」のブログを契機に、待機児童解消が注目される中で、地域との折り合いがつかずに、県内でも受け皿整備が難航している実態が浮かび上がった。一方、「住民と理解し合うための、丁寧な話し合いが必要」として住民に理解を求める事前説明の大切さを指摘する意見も上がる。
 県によると、着工を見送った保育園は、近隣住民から「子どもの声でうるさいくなる」と懸念の声があった。地域に住む女性は昨年夏ごろ、住宅を訪問する形で事業者側から説明を受けたという。「規模の大きさを聞いて驚いた。保育園の規模と土地の大きさ、周りの住宅との距離に問題があると感じた」と話した。県によると、同園は現在、別の候補地を探し来年4月の開設を目指している。
 また、ことし4月に開園した保育園は当初、早ければ15年度中の開園を目指していたという。しかし、面する道が通学路で、袋小路になっており、出入り口が一カ所しかなかったことから、園児の送迎による渋滞や安全に対する不安の声が住民から上がった。住民の要望で説明会が行われたが、住民の懸念が強く、地元自治会と協力して別の場所を探したという。
 自治会関係者は「移転は、子どもの声がうるさいという理由ではない。ただ保育園などの施設が建つことで住民の生活環境が大きく変わるのは事実だ」と話した。
 県私立保育園連盟の玉城善徳会長は「近年、待機児童の問題が浮上して、保育園が大規模化している。既存の園でも定員の弾力化として、定員以上の受け入れを求められる。朝夕の出勤時に送迎の車が近隣に迷惑を掛けているのは事実だ」などと現状を説明。「保育園が善で反対住民が悪という単純な話ではない。難しい問題で、理解し合えるよう話し合うことが必要だ」と話した。
 沖縄県の他にも、見送りや延期をするケースが相次いでいる。共同通信が待機児童の多い東京や大阪、福岡などに確認したところ、開設の見送りは、千葉2、東京1、神奈川1の計4件(定員は約330人分)、延期は神奈川4(定員は約340人)あった。東京都23区でも同様のケースがあるが、都の集計には反映されていない。



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