総合物流を手掛けるシンバネットワークのあんしんと台湾大手の総合物流会社「華岡集団(ワゴングループ)」(台北市)は、5月から台湾東部の花蓮港と石垣市を結ぶ高速クルーズ船「ナッチャン・レラ」を就航させる。当面はチャーター便として運航し、今後、週1便程度の定期運航を計画している。両者はクルーズ船就航を通じて、相互の観光客誘致を目指し、石垣市へは年間1万人誘客を目標とする。物流面での展開も視野に入れ、「人・物」交流の活性化を図る。
ナッチャン・レラはワゴングループのユニ・ワゴンが所有する4層構造の高速クルーズ船。総トン数1万712トンで航海速力は35~40ノット。石垣―花蓮を約5時間で結ぶ。
旅客定員は774人。自動車や観光バスも輸送できる。現在、台北の蘇澳港―花蓮港間などで運航している。
第1便は5月14日に石垣港に入港する。台湾の立法委員(国会議員)らを含む70人の経済交流視察団が石垣市を訪れる予定で、同市で交流を深める。
ナッチャン・レラの就航について、あんしんは「クルーズ船就航を通じて台湾から観光客を引き入れ、本島や宮古などに拡大させたい」と話した。
あんしんとワゴングループは昨年7月、戦略的パートナーシップを締結。台湾・沖縄を中継拠点(ハブ)に輸送する物流ルートを構築し、那覇港の取扱貨物量の増大に向けて取り組んでいる。