沖縄に「侍学園」 誰もが居られる場所に


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「侍学園スクオーラ・今人」沖縄校の本格オープンへ手作りの看板など準備を進める生徒(左)と蟇目崇学長=南風原町山川

 不登校などの若者を支援する認定NPO法人「侍(さむらい)学園スクオーラ・今人(いまじん)」(長野県)の沖縄校が、12月に開学した那覇市から南風原町山川に場所を移し、4月から本格始動している。学長は県内で長く若者や子ども支援をしてきた蟇目(ひきめ)崇さん(36)。「孤立化させないよう、より低年齢からの関わりが重要」と小学生以下を対象とした日中の「ジュニアコース」、午後7時まで利用できるアフタースクール「Smile(すみれ)」を沖縄校独自に併設し、年齢や利用時間も幅広く、地域に開かれた子ども・若者の新たな居場所となっている。

 二世帯住宅として建てられた校舎は夕方、「すみれ」に通う子どもたちの賑やかな声が響き渡る。通常の学童として通う近所の子どもたちのほか、自然体験や地域とのつながりを大切にする活動方針に引かれて校区外から通う子ども、学童に入れなかった子どもたちもいる。
 従来の学童制度に乗らないことで、居場所を必要とする子どもたちを垣根なく受け入れることが可能になった。日中の学園生も利用でき、希望すれば朝から夕方までを過ごせるようになり親も就業しやすくなる。
 NPOの運営は利用料のほか、全国からの寄付や連携する飲食店の売り上げが支えている。沖縄校では同じ建物に入居する居酒屋「やまかかわか」が協力。県内の所得水準に合わせて日中の利用料は本校より低い月額2万4千円とするが、蟇目学長は今後、国や自治体の事業を活用して「誰もが通えるよう、さらに低額にしたい」と知恵を絞る。
 17日にはオープニングイベントとして地域の創作エイサーの演舞やチャリティーコンサート、手作り市などがあり、施設も見学できる。問い合わせは(電話)098(996)3989。