熊本地震 眠れず、食品品切れ 県関係者 友人安否分からず


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 「一睡もできなかった」「店に食料品がなく、ご飯が食べられない」―。14日の熊本地震で強い揺れに見舞われた沖縄出身者たちは、余震が続く中で不安な一夜を過ごした。避難所から自宅に戻るめどが付いていない人もいるなど、15日も混乱が続いている。

 熊本市で暮らす喜久村睦貴さん(25)=沖縄市出身、熊本県立大4年=は、自宅が木造のため倒壊の危険を感じ、近所の高校に避難した。「朝方まで何度も揺れ、眠れなかった」という。「家では安心できないのでしばらく避難所にいると思うが、沖縄に帰るかもしれない」と途方に暮れた。
 糸満市出身の自営業、新垣圭祐さん(28)=熊本市中央区=は外出先で地震に襲われた。街中は避難する人々で渋滞が発生。自宅へ帰ると、家中のあらゆるものが倒れていた。近所のコンビニは食料品、水などが売り切れ。「買い物ができないのでご飯が食べられない」と窮状を訴えた。
 「午前1時半から2、3分に1度、揺れる状態が30分以上続いた。恐怖で一晩中眠れなかった」と語る小禄光男さん(71)=熊本市、会社代表。「とても眠いが、寝付けない」と疲れた声で語る。同じ沖縄出身者の安否が気になるが、連絡が取れない状況が続いている。
 浦添市出身の西田裕美さん(26)=熊本市=は同じマンションの友人宅に逃れ、一夜を明かした。15日朝に市立月出小学校体育館に避難した。市から弁当や水の配給はあるが、「大きい揺れが来るかもしれないとぴりぴりしている。いつになれば緊張が解けるのか」と不安げに語った。