嘉手納基地 PFOS原則禁止 政府、答弁書を閣議決定


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 【東京】政府は19日、米軍嘉手納基地の排水が流れる地域で、高濃度の有機フッ素化合物(PFOS)が検出された問題について「航空機や部品等の洗浄剤や作動油へのPFOSの使用は、代替することが困難である用途として認められていない」などとする答弁書を閣議決定した。赤嶺政賢衆院議員(共産)の質問主意書に答えた。

 PFOSは化学物質審査規制法で原則使用禁止だが、他の物に代替が困難な用途であれば製造、使用などが例外的に認められる。米軍は使用状況を明らかにしていないが、政府は航空機や部品などに使う洗浄剤や作動油はPFOSの代替品があり、本来は使用禁止だと示したことになった。
 米側から通報があった嘉手納基地での泡消火剤や燃料などの漏出事案は2010~15年度の間、13件あり、全13件ともPFOSなどの有害の含有は「不明」とした。2件は泡消火剤が基地外に飛散したという。
 沖縄防衛局が県企業局からのPFOS使用中止要求を米軍側に「可能な限りの使用抑制」と表現を弱めていた件については「英訳の一部に必ずしも適切とは言えないものがあった」と釈明しながらも「内容に関し十分説明も行っている」と強調した。