“歌う署長”オリジナルソングで街守る!


社会
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自作の曲で事件事故防止や被害者支援を訴える崎原永克浦添署長=14日、同署

 【浦添】事件事故の防止や被害者支援への訴えを自作の曲に乗せて発信する“歌う署長”が今春、浦添署に赴任した。崎原永克さん(55)だ。「言葉ではなかなか伝わらないことが、音楽に乗せるとすっと心に入っていく」と話しており、今後も歌でメッセージを届けていく考えだ。

 5日、浦添市役所で開かれた春の全国交通安全運動出発式で、子どもたちに交通ルールを守るよう呼び掛ける「くるま怪獣やっつけろ!」が流れた。崎原署長が作詞作曲し、同署で防犯アドバイザーとして勤務する歌手の上地いのりさんが歌ったものだ。地域のラジオ局「FM21」でもオリジナルソングが流れる。
 中学からギターをやっていたが、事件事故の防止に向けて初めて曲を作ったのは「全てに衝撃を受けた」という22歳の警察学校時代。死亡事故の現場で花を供える女性を目にし、飲酒運転根絶を訴える「ガードレールに花添えて」を作った。
 県警広報相談課の初代・被害者支援室長となった時は、多くの被害者に接し、遺族について曲にした「ひとりで悲しまないで」をチャリティーコンサートで歌った。「ひとりで悩まないで ひとりで苦しまないで」「そっと手を差しのべて あげるから」などの詞に、遺族の苦しみや「社会全体で被害者を支える」とのメッセージを込めた。
 女性の安全を守るための歌は、これを基にポスターが作られ、他府県からも利用の希望があるという。安全で安心な社会を目指す「ちゅらさん運動」普及のための歌もある。「音楽で伝えると反応が全然違う」と話す崎原署長は「浦添に関する歌も作りたい」と意気込んでいる。