1日に石川県志賀町で震度7を観測した石川県能登地方を震源とする地震は、元日の沖縄県内でも大きな衝撃を与えた。県民からは被災地の状況を心配する声が相次ぎ、北陸地方に住む親類や友人らの安否を心配する人もみられた。
県立芸術大学2年の女性(20)=那覇市=は、実家のある石川県金沢市へ帰省中に地震に遭った。自宅はすべての家具が倒れ、グラスなどもほとんど割れてしまう状況だという。女性は「すごく怖い。倒壊した家具で外出用のガウンも取り出せない。不安だ」と話した。
初詣で那覇市奥武山の護国神社を訪れていた男性(51)=豊見城市=は「出かける前にテレビで地震があったのを知った。どうなったのか心配していたが、こんなに被害が出ているなんて」と言葉を失った。
元日は義理の母と一緒に県内各地を回っていたという那覇市の女性(58)は友人の親戚が能登に住んでいると語り「あの付近はよく地震も起きているし、心配だ」を顔を曇らせた。義母(66)は地震と津波の情報を途切れなく伝える携帯電話を片手に「正月なのに…」と声を落とした。
おもろまち駅改札前で、琉球新報の号外を受け取ったインドネシア出身の会社員(28)=那覇市=は、地震発生直後インドネシアにいる妻と母親から安否確認の電話があり「沖縄では起きていないから大丈夫だよ」と答えたという。被災地の写真に見入り「道路のひび割れに驚いた。大きな被害がないといいけど。日本は災害が多いから不安になる」と緊張した面持ちで話した。
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地震の発生を受け、琉球新報社は1日夜、デパート・パレットくもじ前や、サンエー那覇メインプレイスなど市内各地で号外2千部を配布した。
パレットくもじ前では、親子連れや観光客らが号外を受け取り、最大震度7の揺れを観測した現地の様子や、大津波警報が発令されたことを伝える紙面に見入っていた。初詣でにぎわう護国神社や波上宮周辺でも号外を配布し、参拝客らが受け取っていた。