「社会資源開拓まで支援」 貧困からの自立へ 白水さん講演


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実際の事例を基に対策を話し合う来場者 =23日、那覇市の沖縄大学

 沖縄大学の土曜教養講座「生活困窮支援の現場から-貧困の連鎖を断ち切る」が23日、那覇市の同大学同窓会館で開かれた。大阪府豊中市で生活困窮者の支援に携わったライフデザイン・ラボの白水崇真子(しろうずすまこ)代表理事が、実際の支援事例を基に講話した。来場者は実際の事例を基にしたワークショップで、支援策を議論した。

   白水崇真子氏

 白水さんは、豊中市で一般の窓口で対応できなかった困窮者の事例を挙げて「多重に困難を抱えた人には、個別の対応と専門家の支援が求められる。協力企業や医療、教育機関など、支援の出口となる社会資源の開拓まで行う必要がある」と強調。定時制高校に相談室を設置し、リスクの高い生徒を支援したことや、地域の空き住宅を借りて寮として運営した自立支援プログラムについても紹介した。
 学齢期の支援は「小学校で(困難に直面しても)折れない自尊感情を育てるプログラムが必要だ。中学校では進学以外にも、専門的な道を含めた就職や資格取得など、さまざまな選択肢があることを伝える必要がある」と述べた。
 今後の課題に(1)進学時や高校卒業後などに途切れがちな支援を継続する方策を確立する(2)行政が窓口間や支援員との連携を強化し、全庁的な取り組みを行う-などを挙げた。