【南城】多様な分野で実績を上げた人物の経験を行政に反映させることを狙いに、南城市が職員採用試験で昨年度初めて実施した「特別選抜採用」に合格した職員6人が、4月から勤務を始めている。特別選抜は一般の採用枠とは別で、ボランティア活動やスポーツ、文化、芸能などの分野で「顕著な成績を収めた者」を対象に実施したもので、県内自治体初の試み。
特別選抜で合格したのは津波茜さん(24)、高坂清加さん(30)、比嘉明大さん(22)、新崎宇宙(たかみち)さん(22)、城間奈津貴さん(22)、知念真吾さん(33)の6人。
知念さんは陸上の3千メートル障害の県高校記録保持者で、前職ではサンゴの養殖などに携わっていた。「経歴を生かし、市民を盛り上げるスポーツイベントなどに携わりたい」と意気込む。比嘉さんは夏の甲子園への出場経験がある。「野球を通して人との関わり方を学び、人間性を鍛えられた。経験を行政でも生かしていきたい」と話した。
高校と大学で陸上に取り組み、8種競技でインターハイの全国5位に輝いた新崎さん。「地元で働きたい思いがあった。市民が気軽に来られる明るい職場にしたい」と目標を語った。
高坂さんは大学時代に商店街の活性化に関する研究に取り組んだ。「南城市は古き良きものを守り、新しいことにも積極的に取り組むまちだと感じた。広報担当なので、自身も学びながら市のことを広く発信したい」と抱負を述べた。
津波さんは陸上の短距離でインターハイ個人5位、リレー2位入賞の経験がある。「市民が気持ちよく感じる対応を心掛けたい。現場で市民と関わる仕事をしたい」と意欲を見せた。3歳から琉球舞踊を習い、芸能コンクールで優秀賞を受賞した城間さん。「生まれ育った南城市で働けることがうれしい。役場内や市民との関わりの中で踊る機会もあると思うので、技も磨いていきたい」と述べた。