琉球キングス、プレーオフ勝利のカギは…


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けがから復帰した4月に活躍したルーキーの津山尚大=24日、沖縄市体育館

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングスは4月でレギュラーシーズン全試合(52試合)を終え、40勝12敗の西地区2位でプレーオフ(PO)へ突入することになった。

 これまで何度も地区優勝を果たしてきたキングスにとって、2位は「悔しい結果」(伊佐勉監督)であることは間違いない。ただPOに入れば順位は関係なく、全てのチームが横一線に並ぶ。POの激戦に挑むキングスに、4月ゲームは多くの収穫と課題を与えてくれた。

◇連勝と連敗
 キングスは今シーズンから攻撃スタイルを一新し、「人とボールが動き続けるバスケット」を追求してきた。長い時間をかけて培ってきたキングスのバスケは、2月から続く連勝に象徴されるように少しずつ完成に近づいている。16日に強敵の浜松を打ち破ってチーム新記録となる16連勝を飾ったことも、その成果といえる。
 一方で16連勝のあとに2連敗とつまずいた。23日の大阪戦では前半にリードを奪い、後半に逆転されても終了間際に追い上げたことは良かった。しかし、POに向けて負けが許されない大阪に気迫で押されて、目前まで迫った勝利を逃した。アンソニー・マクヘンリーは「ああいう試合をしてはいけない」と気持ちの部分で相手より劣っていたことを反省する。

◇鍵を握る精神面
 大阪との第2戦(24日)は攻守で強さを見せたキングスが快勝した。2月の島根戦でも大敗した翌日に圧勝しており、勝利を目指して気迫を込めたキングスが圧倒的な力を発揮することを証明した。新しい攻撃スタイルはチームになじみ、連勝で選手たちは自信を深めている。POに向けて仕上がりは上々で、最後に重要となってくるのは精神面だ。
 上位陣が少ないゲーム差でひしめいた今季のリーグ戦を見る限り、POに進出したチームに大きな戦力差がないことは明らかだ。POが激戦となることは必至で、そこで勝利を重ねるには強い気持ちが不可欠だ。岸本隆一は「優勝したい気持ちが強いチームが優勝する」と断言する。昨季のPO、大観衆の前で悔しい結果を突き付けられたキングスだからこそ、どのチームよりも頂点を目指す思いは強いはずだ。優勝を心から願うファンのためにも、POは闘志を前面に押し出して戦うことが必要になる。(平安太一)

◆フォワード マクヘンリー/経験豊富な大黒柱
 キングスを戦力面と精神面で支える大黒柱だ。経験は豊富で、POの戦い方は熟知している。キングスがTKbjリーグの最終王座へ駆け上がるために、マクヘンリーの存在は不可欠だ。
 「昨年のPOのことは忘れていない」とホームで敗れた悔しさは今でも胸の中に残っている。何度もPOの苦しい試合を経験しており、「どこのチームがきてもタフなゲームになる」と表情を引き締める。
 POに向けてチームで集中して練習するつもりで、「絶対に目的を達成する」と力強く語った。