【石垣】明和の大津波で被害に遭った犠牲者を哀悼する慰霊祭が24日、同市宮良タフナー原の明和大津波遭難者慰霊之塔で開かれた。遭難死亡者9313人のみ霊を慰めるとともに、14日に発生した熊本地震の被災地に思いを寄せた。市民約200人が参列した。
明和の大津波は1771年4月24日に発生し、八重山では石垣島の13村が全半壊し、黒島と新城島2村が半壊した。
市は毎年、津波が発生した日に合わせ、慰霊祭を開催している。中山義隆市長は「自然災害はいつ発生するか予測できず、その猛威の前になすすべはない」と熊本地震による被害を悲しみ「過去の教訓から学び、日頃の備えを整えておくことの重要性をあらためて強く感じた」と防災へ気を引き締めた。
慰霊祭では児童、生徒2人が作文を朗読したほか、市老人詩吟クラブが明和の大津波研究者・牧野清氏の詩を詩吟で奉納した後、参列者が慰霊之塔に献花した。
作文を朗読した市立白保中学3年の迎里美音さん(14)は「自然災害はいつ来るか分からない。今できることは避難訓練の実施だ。悲劇を繰り返さないため、今できることを一つずつしていかなければならない」と呼び掛けた。