県学生空手道 赤嶺、男子組手V


社会
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 空手道の第26回県学生選手権大会は29日、県立武道館で行われた。組手男子は、4月に結成した名桜大男子空手部の赤嶺洸史が優勝した。形は男子が又吉佑紀(沖大)、女子は與那覇綾子(沖女短大)が1位に輝いた。

男子組手決勝 果敢に攻め込む名桜大の赤嶺洸史=29日、県立武道館(金城実倫撮影)

◆大学初戦で王座獲得 赤嶺、自分のペース貫き
 名桜大1年の赤嶺洸史は、各試合で相手を自分のペースに引き込んだ。時折、攻撃の手を止めて腰を低く落とし、相手を誘うようにガードの腕を上下左右に動かす。相手が攻めあぐねた瞬間に飛び込み、上段突きか中段蹴りを放ってポイントを積み上げた。
 「体が硬くならないように、リラックスするため」。試合時間は高校より1分長い、3分間。終盤でも諦めない先輩選手の重圧をはねのけつつ、自分の体力不足を補うトリッキーな作戦が奏功した。
 決勝は、準々決勝と準決勝を残り数秒の逆転劇で勝ち上がってきた照屋雅高(沖国大2年)。「波に乗る照屋先輩には持久戦で勝てない。最初で稼ぐ」。試合開始直後、決死の中段蹴りと上段突き2発が決まる。終盤、声援を受けて奮起する照屋の上段突きを浴びるが、序盤のリードを貯金に逃げ切った。照屋への声援の多さに、居ても立ってもいられなかった母親の声援「洸史頑張れー」に背中を押された。
 大学初の大会で弾みを付けた赤嶺。今月、首里高男子空手部仲間らと創設した名桜大男子空手部にとっても好発進となった。練習場所や道具など不十分な面もあるが、結果を残していく思いが強い。次は5月の九州選手権。「部員一人一人が今日の試合を反省し、勝利を目指していく」と、名桜大男子空手部の躍進を誓った。(嘉陽拓也)

女子形決勝 スーパーリンペイを演武する沖縄女子短大の與那覇綾子

◆突きがさえ全て5―0 與那覇、九州に懸ける
 與那覇は高校のころから走り込みで鍛えた下半身の安定感からくる、思い切りの良い突きがさえていた。初戦から5―0の完勝。とはいえ、序盤の自己評価は「練習通りにいかないので50点」。特に2回戦の「クルルンファ」は、出番前に鏡で確認していたが、足刀がしっかり決まらなかった。「力を抜きつつ、瞬間的に決める動作がいまいちだった」と反省を口にする。
 5月には2年ぶり出場の九州選手権が待っている。沖縄女子短期大学は2年までのため「今年で最後の気持ちで臨む」。1勝でも多く重ねていくため、「瞬発力のある動きができるよう詰めていく」。まずは今大会の課題を修正していくことから始める。

男子形決勝 スーパーリンペイを演武する沖縄大学の又吉佑紀

◆動と静の演武で観客引き付ける 又吉、好スタート
 瞬発力ある動きと、腰の前で垂れた帯の揺れが完全に止まるまで動かない岩のような静止。又吉佑紀(沖縄大3年)の緩急を付けた演武が会場を引き付けた。「今年初の大会で好スタートを切ることができて良かった」と笑顔を見せた。
 佐久本嗣男氏の道場で学び、世界の舞台で活躍してきた先輩らの動きを研究してきた成果が出た。
 照準を絞る5月の全九州学生選手権は昨年、準優勝している。近年は道場の先輩らが優勝を飾っているだけに、「先輩に続いて自分も頂点を目指す」と力強く宣言した。