【うるま】前“牛”未踏の41連勝を記録し、6年間不敗を守り続けた伝説の名牛「初代ゆかり号」の功績をたたえ、うるま市石川の石川多目的ドームに、石碑が完成した。4月27日には、牛主や闘牛組合連合会関係者らが集まり、完成除幕式が開かれた。集まった出席者は、初代ゆかり号の取り組みや伝説など当時の思い出話に花を咲かせた。
初代ゆかり号は、鹿児島県徳之島で生まれ、木材運搬の労役牛として働いていた。沖縄の家畜市場に出荷され、1961年のデビュー戦を白星で飾ると、めきめきと頭角を現した。62年に黒星を喫したが、その後6年間は41連勝という驚異的な記録をたたき出した。
いまだその記録は破られていない。初代ゆかり号の人気は、施設や子どもの名前に「ゆかり」と名付ける人が続出するほど、社会現象を巻き起こした。
初代ゆかり号の牛主だった故・喜友名良人さんの息子で、自身も闘牛に取り組む喜友名政光さん(71)は「天性の体力と闘牛センスがあった。名牛中の名牛で、牛主は皆『初代ゆかり号のような牛に出合いたい』と目標を掲げて頑張っている」と功績をたたえる。
石碑の除幕式に出席した島袋俊夫うるま市長は「名牛の輝かしい功績を後世に残し、さらなる闘牛文化の継承と発展を期待したい」とあいさつした。
石碑を寄贈した喜友名さんは「初代ゆかり号のデビュー戦は石川だった。闘牛の里うるま市にこうして石碑が置かれ、大変うれしく思う」と喜びを語った。